キャリア・ブレーンの考える戦略的なキャリア形成とは その2
白根 陸夫の40年にわたる戦略的キャリア形成
〜仕事やキャリア形成を真剣にお考えの皆さまへ〜
このキャリア形成の期間は、職務遂行能力向上と転職スキルアップの面において顕著な成果を上げることができました。学校卒業後、企業人として経験30年を経過した時点、52歳でいよいよ念願でありました「やりたいことを、やりたいように、やる」を実現しようと5社目の会社を辞めました。
時期的に独立するなら足腰の丈夫な50歳代前半がいいと判断したからです。満60歳到達時の平均余命は男性22.41年、女性27.92年です(厚生労働省、平成18年簡易生命表)。
男性は82歳、女性は88歳まで生きるということです。私の場合、30年ありました。4年に一度チャンスが巡ってきますので、これからさらに7〜8回飛躍のチャンスが与えられていると考えました。絶好のチャンス到来です。
人事管理職経験者が独立開業するとき、およそ5つのコースがあると思います。すなわち、(1)人材紹介業 (2)人材派遣業 (3)人事管理業務受託業(人事アウトソーシング)(4)社会保険労務士業 (5)再就職支援サービス業(キャリア・カウンセラーとして独立を含む)です。
私は、諸先輩の活躍している業界で、二番煎じで働くことを潔ぎよしとしませんでした。そこで当時まだ一般に知られていなかった「再就職支援サービス」に着目しました。当時この仕事は「アウトプレースメント」といわれて、世間ではネガティブなイメージを持たれていました。顧客は外資系企業が中心でした。
企業が工場閉鎖や業容転換、組織改編を行うに伴って人員削減、人材の入れ替えを行います。余剰となった人たちの再就職活動の支援が必要になります。アウトプレースメントには企業がそれらの施策を行いやすくさせるための機能が期待されていましたので、働く側からはどちらかというと「辞めさせ屋」的なイメージを持たれたのもやむを得ないと思います。
当時、開業挨拶に以前から知合いの人事コンサルタントや管理職研修講師、人材紹介業の社長のところへ行きますと、異口同音に「アメリカのように人材流動化の活発な国ならいざ知らず、日本は終身雇用の国だから、そんな商売はすぐつぶれる」と冷笑されました。わずか8年前のはなしです。
ところがどうですか、その後再就職支援会社は続々誕生し、今では110社、売上高320億円(2002年/平成14年)に成長しています。当時笑っていた仲間がよくやってきます。「さすがにあなたの慧眼には、ほとほと敬服しました」「ぜひ私にも仕事を分けてください」といってきます。
管理職研修などは自己投資の時代になってしまったのです。企業が丸抱えで、全員公平に研修を行うことが稀になってしまったので、仕事がなくなってしまったのです。これほど時代の変化というものは予想を超えて激しいものなのです。チャンスは4年に一回、私たちに平等に訪れます。これを掴むか、逃すかは自分次第です。
アンテナを四方八方に張り巡らせ、社会経済の動向を見極めることによって自分のキャリア形成の方向がはっきりとしてきます。方向性が定まれば到達するプロセスがおのずと認識、納得できるものになります。
白根陸夫は、就職・転職・再就職ノウハウは、即「履歴書・職務経歴書作成/面接対策」だなどと考えていません。一生涯のライフプランがあってのキャリアプランです。就職・転職・再就職を志すあなたは単なる「生活費稼ぎ」のための仕事探しをしてはなりません。
社会経済環境と産業構造の大変革期のいまこそ、あなたの力が必要とされる絶好の機会です。十分な自己分析をして、まずキャリアビジョン(今後、進みたい仕事上での明確な方向性)を確定してください。「何ができて、何をしたいのか」の自己認識ができてはじめて業種と職種を絞り込むことができます。そして、方向性をしっかり確定した後、履歴書と職務経歴書を作りこんでいくプロセスになるのです。当然、こうすることによって的を得た「合格面接」対策が可能になるのです。
白根陸夫の例でお解りのように、周到な準備さえすれば誰でも必ず自身のキャリアビジョンを達成することができます。平均余命が尽きるまでは、まだまだ長く十分な年月があるのです。そして4年に一回のチャンスは巡ってくるのです。
私たちに必要なことは、正確な時代認識に立脚して自己の職業上での志(キャリアビジョン)をはっきり認識した上で、毎日一歩一歩前進していくことなのです。これを実現するために、私達はつねに働きがいのある組織・企業・団体に属することを求めているのです。自己実現への意欲と熱意の具体的行動が就職・求職活動なのです。
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