第64号「改正高齢者雇用安定法施行を機にキャリア・カウンセリングのニーズを掴む戦略と戦術」(その3)

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第64号「改正高齢者雇用安定法施行を機にキャリア・カウンセリングのニーズを掴む戦略と戦術」(その3)

白根陸夫のブログ愛読者の皆さん、お元気ですか、白根陸夫です。
厚生労働省「平成14年簡易生命表」によれば、満60歳の時点での平均余命は、男性21.93年、女性27.40年となっています。団塊の世代(1947〜49年生まれ)の定年後についての調査が新聞等で紹介されていますが、どの調査もかなり類似しています。すなわち、この世代は定年を心待ちにしていて、国内旅行、海外旅行、パソコン・インターネット関連機器の購入、外食・グルメ、芸術鑑賞(映画・音楽・美術など)、仲間や家族とのパーティとかにお金をかけたいと考えているようなタイプのイメージを伝えています。本当にこんなに浮かれていていいのかと思います。一方、妻は一日中夫が家にいて憂鬱と考える人も多いようです。夫にはいつまでも外で元気に働いていて欲しい、できれば収入も多く欲しいのが本音でしょう。いざ定年になれば現実を知って愕然とするでしょうが、現時点では楽観的なことしか視野に入らず、不安は先延ばしにすることができます。アンケートはこのことを反映しているのではないでしょうか。老後を生活資金面からみると、深刻さは明確です。退職金は、民間企業で勤続35年の場合、一般に2,400万円程度といわれています。夫が82歳まで生きるとすれば、夫婦で月々9万円を取り崩していくことになります。これに、厚生年金保険から22万円程度の給付が見込まれます。現有の預貯金は、先々万一のために取っておくことになります。先のことは誰にも分かりませんが、少子高齢化による経済停滞や消費税率アップによる物価上昇は近い将来確実に予想される事態です。旅行になど金を使っている余裕はないのです。定年後のんびり暮らすことは出来ないのです。ではどうするか? どうしたら老後の経済的不安から逃れられるか、万人が考えることですが、ひとりで悩んでいても解決策は出てきません。ここにキャリア・カウンセラーによるカウンセリングのニーズがあります。唯一の解決策は・・・、それは誰の頼りにもならず、自立すること、すなわち「生涯現役」をモットーとして生涯働くことです。そうすれば、老後の不安から開放されるのです。こんな単純なことをどうして本音で語る人がいないのでしょうか。それは、高齢者(満60歳以上)の再就職がきわめて困難だからです。白根陸夫は、満52歳から独立自営し、リストラで離職した人達の再就職を支援して10年の実績を有しますが、売り方が下手ならば売れない、上手ならば売れます。このことは高齢者も必ず再就職させてきた事実が証明しています。白根陸夫は3年前からキャリアアップ転職術を指南する「一億人の就職道場」を主宰しています。盛業です(サービス内容は、HPをご覧ください)。高齢者も多く学び、再就職を早期に成就させています。高齢者を上手に売るには、年齢をウリにするのではなく、長い職業人生において修得した機能をウリにさせることです。ただし、この戦法は60歳代にも大変有効ですが、50歳代のほうがはるかにかに売れ行きはいい。セカンドキャアの決断は早ければ早いほどよろしいのです。改正高齢者雇用安定法施行に頼ったとしても、最長満65歳までです。自ら切り開いていく職業人生は実力が認められれば80歳代まで働くことが出来るでしょう。50歳代は、法律の助けを借りて、60歳以降、大多数の人たちと同じ道を辿るか、自立の道を歩むか選択の時期といえます。自身のウリである課題とは何か。機能とはすなわち職務遂行能力です。機能は加齢すればするほど高度化します。余人をもって代えがたい職務遂行能力を有する者こそが人材です。採用条件は、年齢でなく機能ということに気づけば自ずから戦略・戦術も変わってきます。超少子化社会に向かって高齢者の活用の途は大きく広がっています。しかし、売り方のノウハウを修得した者のみが勝ち残ることになるでしょう。キャリア・カウンセラーは高齢者のライフプラン、キャリア・プラン、ファイナンシャル・プランの三つのプランづくりに、終始深く関わることになります。それには、キャリア・カウンセラーとして卓抜したカウンセリング・スキルを修得すると同時に、万人に有効なキャリアアップ転職術を自ら創出し、これをもって自身を売り込むという営業戦略が必要になります。次号に続く。


白根 陸夫白根 陸夫(しらね りくお)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ

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