第65号「改正高齢者雇用安定法施行を機にキャリア・カウンセリングのニーズを掴む戦略と戦術」(その4)

人材ビジネスで成功するヒント

第65号「改正高齢者雇用安定法施行を機にキャリア・カウンセリングのニーズを掴む戦略と戦術」(その4)

さて、あなたは、次の問いにどう回答しますか。
?@年をとれば取るほど就職は楽になる。「はい」か「いいえ」か。
?A景気が悪くなればなるほど就職は楽になる。「はい」か「いいえ」か。
白根陸夫のブログを愛読されているみなさんは、正答はすぐお解りです。
すなわち、「年を取ればとるほど就職は楽になる」のです。「景気が悪くなればなるほど就職は楽になる」のです。高齢者は年をウリにしてはならない。高齢者のイメージは、一般に、頑固、頑迷、動作緩慢、傲慢、横柄とマイナスイメージが付きまとう。だから、年はウリにしてはならない。一方、キャリア(仕事経験)は幅と深さをもって評価されるが、いろいろな仕事の経験があって、それぞれに豊富な現場体験がり且つ実績・業績をあげてきた人(当然高齢者となる)に対するイメージは、一般に、仕事が出来る人、仕事が速い人、あらゆる場面で頼りになる人、失敗体験を有するからこそ後輩を適切に指導できる人、後輩の面倒見のいい人、一人で任せておいて安心な人など、褒め言葉はいくらでもある。だから、高齢者はキャリアをウリにすべきである。しかし、表面的なキャリア、すなわち幅と深さだけあっても大したウリにならない。同じような人は日本中掃いて捨てるほどいるからである。同じキャリアの中で、自分だけ一頭地抜きん出た競争力を身につけるには、それぞれの場面において利益貢献の実績で裏打ちされていなければならない。そう考えるとキャリアは機能と考えたほうが理解しやすい。企業に勤務したということは、お金が好きで、お金儲けをしたいから入社したわけである。株式会社の目的はつまるところ利益の追求である。社会貢献などといっても社会貢献するには、企業として潤沢に利益が上がっていればこそできることである。だから、企業に勤務している人は利益を上げることが責務である。利益を上げることが上手な人が組織の中で昇進・昇格していく。このことを理解していて、且つ実践した人が社長になるのである。あなたが、再就職活動をして、面接選考時にあなたのウリは何ですかと社長に質問されたとき、「私は○○の分野で人一倍金儲けが上手なことです」と答えることによって容易に採用が勝ち取れるのである。ここでは、年齢はまったく考慮されないのである。「○○の分野で人一倍金儲けが上手」が「機能を売れ」と同じなのである。一般に「機能を売れ」というと、単に「売上を上げた、利益を上げた」と表現する人がほとんどだが、企業は組織で活動しているから、構成員の努力で上げた結果を列挙してみたところで、特定の個人のウリにはならない。景気の悪いときは、売上の低落傾向に歯止めをかけたということも立派なウリになるが、これも個人のウリにならない。集団の成果を個人のウリにするには、一工夫がいる。自身の担当分野において、目標達成のために個人は全知全能をもって「人にないワザ」を考え出し、これを行動に移し、実践して成果を上げている、このワザがすなわち「機能でありウリ」なのである。機能=ウリの表現は、「○○を○○することによって、○○を○○した」のうちの、「○○を○○することによって」がこれに当たる。「○○を○○することによって」の表現を経営者が一読することによって、当該人材に対する評価(価格付け)が決まるのである。本質さえ理解すれば、自身のウリは的確に見つけることが出来るのである。?Aの回答に関する、説明は次号にします。次号をお楽しみに。


白根 陸夫白根 陸夫(しらね りくお)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ

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