転職希望条件の雇用形態について考えてみましょう。
考え方のポイントは?
主な雇用形態には、正社員、契約社員、派遣社員、業務委託があります。
正社員とは就職先企業と期間の定めがない直接雇用契約を結んだ社員のこと。フルタイムの常用勤務で、正当な理由の無い解雇には厳しい制限があり、福利厚生面では非正社員より優遇されていることも多いです。契約社員とは、期間を定めた雇用契約を企業と結んだ社員のこと。退職金や賞与は支払われないケースが多く、給与、業務範囲、就業形態などを予め、企業と個別に取り決めます
派遣社員は、人材派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、派遣先の指揮命令を受けて勤務。契約社員、派遣社員も、社会保険は一定の条件をクリアしていれば加入します。業務委託は、個人事業主として企業と契約を結び、労働基準法や最低賃金法の適用はなく、社会保険や税金も事業主として適用されます。働き方が多様化し、雇用側も正社員比率を減らす傾向の中で、逆に求人側は、安定した身分、給与等を望んで正社員志向が高くなっていますが、場合によっては、最初から正社員に拘らないことも必要です。
長年、派遣社員で働き続けたA子さん。40代になり派遣の仕事紹介も段々減って、先行きに不安を感じて正社員への転職を決意。経理の仕事を目指して勉強を始めました。経理の求人は多いのですが、未経験者のため、なかなか決まりません。そこで会社規模や給与、待遇面にあまり条件を付けずに、小規模企業の求人を探して応募するように勧めました。まずは実績、経験を積むことを優先したわけです。そして小さな会社で、未経験でもOKという求人に応募、採用されました。小さい会社だからこそ経理面の全てを一人で任されて2年。お給料をいただきつつ、勉強したことを実践で磨き、経験者の履歴を得ました。そしてまた派遣会社に登録。紹介予定派遣を経て、大手企業の経理部門の正社員として転職できました。遠回りのようでも、目的意識を明確に持って雇用形態を柔軟に捉えることで、自身が満足できる転職ができます。
土居 砂智子(どい さちこ)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
認定キャリア・コンサルタント
認定エグゼクティブ・コーチ
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