転職希望条件のうちの「職種」について考えてみましょう。④
考え方のポイントは?
希望職種を考える際の自己分析は、
①自分の置かれている現状・立場を確認する
②自分の思いを知る
③自分の財産を確認する、この3つの切り口から行ってみます。
①は、健康・体力面、過去の仕事経験内容、家族状況(末子独立まで何年か、両親の介護・扶養はどうなるか等)、金銭的体力(貯蓄、年金、住宅、最低限必要な生活費、住宅ローン等)、職業適性・興味、年齢などの項目で考えます。
最初は、全体を概観できるように1枚のシートに各項目についてメモ感覚で書き込み、更に詳細にしたい内容は、項目ごとに別シートに記入していきます。金銭的体力については、少し詳細に1枚の見やすいものにしておくとよいでしょう。企業のバランスシート同様、ある時点での自身の資産・負債・純資産の一覧表を作成するとかなり明確になります。資産から負債を差し引けば、純資産です。資産には、現金・預金だけでなく、家や車など売却すれば換金できるものも含めます。
今後10年を見通した未来年表式にするのも、お薦めです。縦軸は年度、横軸は自身と扶養家族の年齢、住宅ローンの残高、必要生活資金、職業適性、興味などの項目にします。10年を見通すための現時点でのビジョンシートです。
②は、人生観、職業観、価値観、キャリアビジョンなどについて考えてみるということです。何歳まで働き続けるのか、健康第一で多忙すぎる仕事は敬遠したい、食べていける給与さえあれば良い、社会貢献を優先したいなど、何を重視してどのように生き、働きたいのかを書き出して明確にします。
③は、求職活動において何が生かせるか、使えるかを考えます。仕事の経験・専門性・知識、人生経験、仕事能力・スキル、強み、趣味、好きなこと・モノ、語学や海外経験、資格、受賞歴、人脈、金銭的財力などについて、項目ごとに箇条書きします。
自身の現時点での多面的な状況確認ができることで、現実を踏まえての職種決定決断がしやすくなるでしょう。
土居 砂智子(どい さちこ)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
認定キャリア・コンサルタント
認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る