第16号「迫力ある業績記述」の制作ノウハウ
プロのキャリア・コンサルタントのみなさま元気で職務に精励されていることと拝察申し上げます。前号につづき「迫力ある業績記述」のおはなしですが、その前にすでにご存知のことですが、「職務経歴書」は2パターンがあります。すなわち、編年体式とキャリア式です。職業柄、職務経歴書を見る機会が多いのですが、80%は編年体式で制作されています。20%は、キャリア式ですが、キャリア式といっても専門分野別編年体式といったほうが当たっていると思います。私たちのウリは、職務遂行能力という機能であるということを前号で述べました。私も10年間経営者をしてきまして、経営者(雇用主)の心情はよく分かるつもりですが、一般に見る職務経歴書は機能を売るという目的でつくられていないと考えます。私たちは「人材」という商品です。履歴書・職務経歴書はカタログと称されていますが、この表現は当たっていません。正しくは、履歴書はカタログ、職務経歴書は仕様書(機能保証書)というべきです。編年体式で機能保証書が出来るでしょうか、出来るわけがありません。自己分析をきちんとやり、成功体験を分析する。業務経歴を専門分野という機能に分解し、4〜5の専門を確定する。自身で考える専門分野の定義を文章化したあと、専門ごとに成功(業績)体験を列記する。これで、機能保証書(仕様書すなわち職務経歴書)が出来上がるのです。また、罫線で枠をつくり、この中に記述するスタイルの職務経歴書をよく見かけますが、余白が多く大変もったいないと思います。自己分析をきちんとやれば、もっとウリが沢山出てくるのに、罫線で囲んでしまうので、記入スペースが少なくなってしまっているのです。履歴書や職務経歴書制作において、罫線をつかうことは無しにすべきです(ただし、職務経歴書末尾のセールスポイントや提出年月日、氏名欄には罫線を使います)。さて、Q、C、D(納期、数量)、時間、人数の六つの利益の源泉を上手く組み合わせて業績を上げつづけるから、その人は「人材」といわれるわけですが、どんな表現をもって職務経歴書(機能保証書)の業績記述といえるかですが、以下に列記します。あなたが制作指導したクライアントの職務経歴書に類似の文言はいくつありましたか。以下、第17号に続く。
白根 陸夫(しらね りくお)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ
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