第298号「高齢者の活性化・戦力化のための能力開発はどうしたらよいか」・・・第28回

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第298号「高齢者の活性化・戦力化のための能力開発はどうしたらよいか」・・・第28回

■高齢者の活性化・戦力化のための能力開発8つの具体策・解説・その4

『1.環境理解・・・平均余命の伸長によって75歳までセカンドキャリア(再就職)
を継続しなければならないことを理解させる。』

厚生年金の受給額「現役世代の5割」の「現役世代の所得」とは、
現役の加入者の所得から税金や保険料などを差し引いた、
「可処分所得」の平均である。

04年の年金制度改革が想定した現役世代の所得は月額393,000円である。
モデル年金額の月額はこの59.3%に当たる233,000円になる。

ただし、このうちの66,000円は妻の基礎年金の月額だから、
本人だけだと、月額年金額は167,000円、現役の42.5%にしかならない。

ここから税金や、健康保険料などが差し引かれる。

まさか夫たるもの妻の年金を生活費としてあてにすることはできないだろう。
妻も自身の預貯金口座に一旦入金された年金をやすやすとや手放さない。

老後の夫婦の一ヶ月の生活費は35万円といわれる。
35万円−16万円=毎月19万円の赤字である。

この赤字をどこから補填するのか。
幸いにして退職金を2500万円もらった人がいたとしよう。

男女の平均余命は満60歳の時点で、男22年間、女28年間、
差し引き6年間の差がある。
夫婦間の年齢差を5歳とした場合、
夫より11年も妻は一人で長生きすることになる。
この間の経済的、精神的な支えとして退職金から1,000万円を残すとすると、
2,500万円−1,000万円=1,500万円。

毎月の生活費の赤字額が19万円。1,500万円÷19万円=78ヶ月=6年半。
夫が65歳まで働いて、その後年金生活に入ると、
71歳で退職金を使い果たすことになる。

この現実を明確に認識していないこと。これが誤解の2である。

ではどうするか?一生涯働き続けるのである。「生涯現役」を貫くこと。
これが唯一の「行き詰まらない」ための方策である。

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■高齢者の活性化・戦力化のための能力開発具体策8つ(第294号より)
高齢者の活性化・戦力化は次の8策を同時に実行することによって実現することができる。
1.環境理解・・・平均余命の伸長によって75歳までセカンドキャリア(再就職)を継続しなければならないことを理解させる。
2.不断の努力の重要性・・・能力開発の努力継続によって大きなチャンスが獲得できることを認識させる。
3.キャリア形成の重要性認識・・・仕事の「やりがい」「いきがい」は、キャリア・ビジョンの設定とそれを実現するために努力する過程にあることを認識させる。
4.目標設定・・・定年退職時点で会社が本人に望む仕事と期待する成果を出来る限り明確に提示する。
5.職務遂行能力把握・・・現有の職務遂行能力を自己分析によって把握させる。
6.能力開発計画策定・・・定年退職時点で会社が望む仕事と期待する成果を上げるために必要とされる職務遂行能力と現有能力の乖離を埋める能力開発計画を策定させる。
7.能力開発自己研鑽進捗チェックとメンタルフォロー・・・上長による定期キャリア・カウンセリングの実施(第三者のプロに委託することも有効)。
8.活性化・戦力化フォロー・・・上長によるOJTコーチングで加速させる。
高齢者がもつ定年後の不安を解消させるための方策はとりもなおさず、企業が行う高齢者の活性化・戦力化策と表裏一体をなすものであることを高齢者に理解させることが、活性化・戦力化の要である。
※『キャリア形成四つのタイプ』については、『プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー(R)/認定キャリア・コンサルタント養成講座」HP http://www.c-pro.cc/ 』にアクセスしてください。詳しく解説しております。
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次号へ続く。



白根 陸夫白根 陸夫(しらね りくお)
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ

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